小倉屋の主屋は、ツシ2階建て(一部2階建て)切妻平入りと言われる形式の町家建築です。主屋の間口は5間。奥行きは7間。屋根は本瓦葺き。
主屋の道路側全面は奥行き2間のミセドマがあり、その奥には、上手側(北側)に2列の部屋が並び、下手側(南側)は2間幅の土間(トオリニワ)がオモテ(道路)からウラ(庭)まで貫通します。
トオリニワの上部は吹き抜けの空間で、建物の上部構造を支える梁と小屋組みが表しになっています。トオリニワの最上部には煙出しの越屋根の痕跡が伺え、現在は明かり取りのための天窓になっています。
主屋の奥には100坪弱の庭が広がります。かつて、ここには離れ座敷や蔵などが建ち並んでいました。一部基礎の石組などが残った建物は、その遺構がわかるような形で表現されています。庭の北西部分に置かれた壁も離れ座敷の遺構です。この壁にさしかけられた土廂の下のベンチから、ゆっくりと庭を眺めることができます。
小倉屋では、部屋の部分を喫茶スペース(茶房)として利用しているほか、ミセドマの部分は多目的な用途に対応するフリースペースとしています。また、主屋奥の付属屋にはレンタルで使える厨房を備え、様々な用途で活用できる空間になっています。